人を虐めちゃいけない理由

部長はこれからも
あの電車の中で、あの電車のついた先で、
終わることのない理不尽な暴力に
晒され続けるのでしょう。
これからも、永遠に。

電車が去っていた後も
まだ震えている体を駅のホームで
必死に抑えていると
だんだんとわたしの瞼が重くなり、

もう一度私の意識は闇へ沈みました。

目を覚ますと病院のベッドの上でした。
点滴を繋がれていて
真っ白い布団を被せられています。
横には看護師さんが待機していて、
私が目覚めると同時にお医者さまを
呼びに行きました。

先生によると重度の過労で倒れたらしく、
ここ数日は安静にしておくようにとの事です。

スマホを確認すると会社のLINEグループに
通知がいくつか来ていました。
ひとつは私が過労で倒れたこと、

もうひとつは部長が亡くなっていたとのことでした。

正直怖かったです。
私があの日見たのはほんとに
夢だったんでしょうか。
偶然昨日倒れて偶然あの世へ行く夢を
見たんでしょうか?
そうとは思えません。