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呪い・祟り

きな粉もちさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

後ろの頭陀袋
長編 2022/08/03 01:34 10,588view
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後ろにはなにもいませんでした。
その代わり冷たい石の床の上には
五本の小さな指の足跡が
べたべたに判を押したように
広がっています。

あまりの光景に息を飲みました。
さっと後ろに足をひくと
何かをぐしゃりと踏みつけた
嫌な感触がしたんです。

背筋がぞぞぞってしながら恐る恐る
足を離して何を踏んだか見ました。
かかとからそっとっそっーっと。
頭陀袋でした。白い白い。
お葬式の際によく見かけるあれが、
なぜか、この場にあったんです。
気持ち悪い。気持ち悪い。
僕の靴でぐしゃぐしゃになった頭陀袋は
この道の中でぽつんと浮いていました。

それが気味悪くて仕方がなかったんです。
さっきまで後ろに誰かいたみたいで。

その後は寺にかけよって和尚さんを
叩き起こし、ひたすらに帰してくれと
懇願しました。
情けない話ですがあんな体験をした後では
ひとりで帰ることなんてできません。
彼はせっかくの安眠を妨害され、
意味のわからない話を唐突に聞かされたにも
関わらず、付き添ってくれることを
約束してくれました。

5/7
コメント(2)
  • 間違い電話かな?

    2022/08/03/06:20
  • 最後に何が起こったのか最後までぞくぞくするお話

    2022/08/23/16:33

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