神様はいるかもしれない
投稿者:ぴ (414)
だけど、友達は私の話をまったく聞かずに、宗教に一緒に入ろうと誘うのです。
友達が信じている神様は聞いたこともないし、入っている宗教団体も初めて聞いたようなものでした。
しばらく会っていなかっただけで、急に変わってしまった友人にすごく悲しくなりました。
それからは何度か電話で話したのですが、友達の信仰心を妨げることはできなかったです。
どんどん友達はそっちにのめり込んでしまって、私は次第に諦めていき、彼女と疎遠になっていきました。
それから何年も経った頃に、私は仕事帰りに家の前に誰かが立っているのに気づきました。
その人が誰なのかしばらく分からなくて、不審者かと思って警戒心ばりばりでした。
そしたら相手はその友達だと気づいて、私は「わー、久しぶり」と彼女に声をかけました。
昔の友達だったら一緒に久々の再会を喜んでいたでしょう。
でも友達は違います。私に会うなり、突然私の肩をぐぐっと掴んでそして「ねえ聞いて」と真面目な口調で話し出したのです。
なんでも友達が信仰している神様が私の危険を知らせているらしくて、それを伝えに来たといいました。
私はいまだにまだあの怪しい宗教にのめり込んでいるのかとぐったりした気分になりました。
信じていない私に友達は「真面目に聞いて」というのです。
あまりに友達が真剣な顔をしているので、私はとりあえずその子を家に招き入れました。
家に入ってソファーに座ったら、彼女が急にトランス状態のようになりました。
私は急な友達のおかしな様子にあたふたしながら、友達を心配しました。
そしたら急に目に生気が戻ってきて、友達は「明日の夕方に外出したくなると思うけど、我慢して。」と言いました。
そして「我慢できなかったり、忘れて出かけてしまったら、右を気にして」と言いました。
「右から出てきたものを避けると命は助かるけど、もし避けられなかったらとにかく身を丸めて」と言いました。
「それで最悪なことにはならないから」と言われたのです。
最後に友達は「絶対に助かってね」と言って、去っていきました。
それを言われたときは、正直なんのこっちゃという気持ちでした。
前よりあきらかにヤバくなっている友達にドン引きしてしまったのは正直なところです。
ですが翌日の夕方私は友達の助言をすっかり忘れて、アイスが食べたくなって近くのコンビニに出かけてしまったのです。
そしてその途中の横断歩道を渡ろうとしたときに、ふとあの「右を気にして」という言葉を思い出しました。
そしてそのおかげで右から何かがやってくる音に気づきました。
気づいたときにはそれが迫っており、私はとっさに友達の助言を思い出して、右から来る何かを避けるために持ち前の反射神経で一歩下がって思いっきり体を反らしました。
右からやってきたのは1台のバイクでした。
そのバイクは信号が赤なのに突っ込んできて、私はスレスレでそれを交わしたのです。
もう一歩前に出ていたら間違いなく、私はそのバイクに巻き込まれて弾き飛ばされていたと思います。
神というより予知する能力が元々あったのかも知れませんね。
それに無理やり宗教に入らすこともないようだし、貴方を大事な友達として見ているのだと思います。