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呪い・祟り

ナナシーさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

病院職員の体験談
長編 2022/07/27 07:29 4,595view
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私が総合病院で理学療法士という、病気で入院してきた患者にリハビリを行う仕事に従事していた時の出来事です。

ある男性患者が腰椎椎間板ヘルニアという診断でリハビリオーダーが出たため、早速患者の情報を入手しようと病棟でカルテを開いたら腰椎椎間板ヘルニアどころか、レントゲンの画像は腰椎のいくつかが粉砕骨折の様子で椎間板も破裂しており、痛めた部分がほぼ真っ黒という状態に唖然としました。

交通外傷か、高い所から飛び降りでもしなければ画像のような状態にはならないと考えていたのですが、実際患者と話をすると何もしていないでこうなってしまったとのことでした。

しかも状態が悪くなって数か月経てからの入院とのことなので、主治医に確認しましたがリハビリは痛みに応じて可能な範囲でとのことでした。

いつもであれば患者の状態を親切丁寧に話してくれる先生でしたが、この時はあっさりした対応に少し不安を覚えながら、私自身は自殺企図も考慮してリハビリを進めていくことにしました。

患者の痛みも半端ない状態でしたが、私自身この患者のリハビリを終えると何故か体が重たくなるような違和感を覚えるようになり、地元の神社へお参りに行ったり普段行かないサウナへ通ってリフレッシュしたり、自分自身への体調を気遣う行動をしていました。

男性患者の職場の方々もお見舞いに来院されていましたが、病気も治らず数か月出社出来ていないことで退職の話も進められていたことが印象的でした。

この男性患者の痛みに対しては、故か人よりも訴えが強く主治医の先生の対応で、癌の患者が使う痛み止めを使用する対応となり何とか1か月後杖で少し歩けるようになって退院の運びとなったのです。

退院後は時折外来にも通っていて様子を見ていたのですが腰部と脚の痛みだけでなく、何故か痛みが全身に広がったとのことで更に大きな病院へ行かれる運びとなりました。

この男性患者の担当を終えて一段落という矢先でした。

私は朝の起床時に突然の左顔面神経麻痺となり、救急病院へ行き診察してもらったのですが、検査で顎の腫瘍が見つかり数週間後大手術という経験をしました。

奥歯の数本は抜き取られ、顎の骨を再生するために骨盤の骨の細胞を移植するという内容で、手術後は骨盤の痛みだけで二週間まともに歩けない状況でした。

その後は奥歯のインプラントを経るなど数年かけてやっとの思いで完治することができました。

私自身の災難だけならまだしも、同時期に職場の同僚にも恐ろしいことは起こっていました。

私が顎の腫瘍治療の為に、上司へ休職願の話を伝えた際、私の同僚の一人が、この時期に頻発していた頭痛から検査で脳動脈瘤が見つかりオペをするということで同時期に休職となった話を聞かされ非常に驚きました。

この同僚は何十時間の手術となりましたが、数か月後、元気に復職することができました。

またもう一人はお腹に子供を抱えており、私の入院時期に育児休暇をとっていたのですがその後、残念ながら障害を持って生まれてくるという状況でした。

同時期に非常に悪いことが重なりましたが、真っ先に思い当たったことが私を含めたこの3人だけが、この男性患者のリハビリを行ったグループでした。

私自身口には出せませんでしたが、他の関係者は大丈夫なのだろうかと思いました。

病棟のナースステーションに足を運びましたが、入院中に男性患者を担当していたナースは男性の退院後まもなく体調不良を理由に退職となっていました。

私自身不定愁訴や難病を抱えた患者を担当したことは幾度とありますが、この患者に対しては何か感覚的なものを含めて“障り”のようなものを感じたのはこの体験が初めてでした。

私は顎の腫瘍の手術後、職場復帰しても何となく体が重く感じて本調子ではないことを、入院中にお見舞いに来てくれた同業の友人に話をしたところ、休みを合わせて埼玉の三峰神社に車で連れていってくれたのです。

聞くところによると友人の病院の職場でも、不可解な事や患者からの不幸の連鎖が生じて悪い事象が起こったことは多々あることを聞かされました。

ただ、私の場合はもう一つ厄介なものを抱えていました。

それは手術を経て職場復帰した際に病気が再発しないように、個人的に上司から頂いたお守りらしきものが入った袋があったのですが、その物がお守りどころか呪物であることが友人のアドバイスで判明したのです。

友人は私以上に何か第六感的なものが敏感で、神社へ行く際私の部屋の異常を察知してくれたのです。

部屋のタンス上に何となく置いていたお守りらしき袋を友人が開けると、真っ黒で黴の生えた板のようなものが出てきて、見た目からお守りのようなものではないことが分かりました。

いつも何かあった際には自分だけは責任回避して表面だけ良いふりをしていた上司の人間の本性を知ることができ、友人には感謝しかありませんでした。

そして、この時上司に対しては職場で起こったことに対して、本当はこいつのせいではないだろうかと考え込んでしまった時期もありました。

普段初詣や、何か受験やお願い事ができた際に神社へお参りに行くことはしていましたが、厄除けで神社を訪れるのはこの時が初めてでした。

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