【ほん怖】真夜中に鳴り響くナースコール
投稿者:邪神 白猫 (7)
長編
2022/07/24
05:34
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吉田さんの言葉通り優しい患者さん達に励まされた私は、その後何事もなく無事に初勤務を終えることができたのだった。
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「宮野さん、夜勤は初めてだったわよね?」
「はい、今日が初めてです」
業務にもだいぶ慣れてきた頃、初めての夜勤を迎えた私は吉田さんと共に夜中の一般病棟を巡回していた。
初めての夜勤とはいえ、その業務内容は日勤とさほど変わらない。けれど日勤と比べて勤務時間が長く、間に1時間半の仮眠時間があるとはいえ、夕方から朝までの勤務かと思うと中々に大変だ。
(身体、もつかなぁ……)
体力には自身のある方だったけれど、なにせ初めての夜勤だ。どれほど疲れるのか未知数だった私は、気負いすぎず業務に励もうと心した。
「日勤に比べるとだいぶ時間は長くなるけど、あまり無理しないようにね」
「はい、ありがとうございます」
そんな私の気持ちを知ってから知らずか、吉田さんはニッコリと微笑むと前を向いた。
「……あれ? 松居さんがいない」
ポツリと呟くようにして立ち止まった吉田さんは、目の前にある202号室を見つめた。
吉田さんのすぐ横から中を覗いてみると、確かに4人部屋であるはずのその部屋は3人分の布団の膨らみしかない。
「また部屋を間違えちゃったのね……」
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