長い女
投稿者:候 (9)
僕が小学生の頃に祖父母の家に遊びに行ったときに本当に体験した話です。おそらく夏だったと思います。
その日は夜まで友達と遊び、疲れ果てて家に帰りました。
兄弟のいなかった僕は実家には無い二段ベッドの上段で寝ることがひそかな楽しみであったため、食事と入浴を終えその日は早めに眠りにつきました。
普段はかなり眠りが深く、夜中には全く起きない僕でしたがその日は2時過ぎくらいにふと目が覚めてしまいました。
目が冴えていたのでしばらくボーっとしていると、ゆっくりと階段を登ってくる音が聞こえました。
母か祖父母だろうと思っていたその足音は、僕がいる部屋の前でピタッと止まりしばらくは何の音も聞こえなかったのです。
このあたりから怖くなってきた僕はしっかりと布団をかけなおし、目を閉じていました。
1分か、2分か、しばらくするとギィィーっと、ゆっくりと扉が開き、部屋の中をペタペタと裸足で歩き回る音が聞こえます。
叫ぼうと思っても声が出ません。
しばらく硬直したのち、僕が寝ている方に近付いてきたその足音は、ベッドの真横で止まりました。
恐る恐る目を開けると、そこには高さ2mの二段ベッドをはるかに超える身長の女がこっちにググッと顔をのぞかせ、じっとこちらを見ていたのです。
その後の記憶はありませんが、気絶したんだと思います。
夢だったのか現実だったのかは今となってはわかりませんが、かなり怖い体験だったので今も鮮明に覚えています。
八尺様だな。