追いかけられる夢
投稿者:八尺マン (46)
短編
2022/07/17
17:53
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そいつは俺に馬乗りになって、俺の首に手をかけた
目の前にそいつの顔がある
そいつは
そいつの正体は・・・
ピピピピピピ
目覚ましの音が鳴る
「はっ!!?」
俺は目を覚ました
自分が住むアパートの部屋のベッド上
見慣れた天井が出迎えた
全身汗まみれだった
今回は何だか鮮明だった
追いかけてきた奴がわかりかけていた
というか、俺はそいつの顔をはっきり見た
なのに、目覚めた瞬間に、その見たはずの顔に、もやがかかって思い出せない
何なんだ?
俺は何に追いかけれているんだ?
ピンポーン
チャイムが鳴る
出ると俺の母親だった
「おはよう! あら? どうしたの? 顔色悪いわよ?」
俺の母親はつい最近まで実家で暮らしていたが、親父と離婚して今はこっちに来ている
「別に何でもないよ」
「そう? まあいいわ。今日もご飯作っておいたからね」
ここ最近、毎日のように俺の住むアパートに来て、食事を届けに来る
それはうれしいのだが・・・
「ところで、まだお仕事が決まらなくてね・・。ちょっとばかしお金を貸してほしいのだけど」
毎回、お金を借りに来るのだ
ずっと専業主婦だった彼女が離婚して、自分で稼がないといけなくなって大変なのはわかるが、もう結構な額を貸している。返ってくる気配は一向にない。そろそろ限界だ
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