親子の声
投稿者:八尺マン (46)
短編
2022/07/05
22:31
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自分の周りを何かが動き回っている
ベチャベチャ
沼地を這っているかのような奇妙な音が聞こえてくる
それと同時に魚が腐ったような臭いが漂ってきた
俺は吐き気をどうにか抑えようとしたが、どうにも我慢できなかった
「ぐぅ・・・。うぐぅうう」
声が漏れてしまった
「あ・・・」
子供の声
しまった!
バレた!!
「ねぇ! お母さん! こいつ、やっぱり僕らに・・・」
ドガァァァァァァァン!!!
大きな轟音が俺の身体を震わせた
「うわああああああ!」
俺はその場から崩れ落ち、床を転がった
「クソッ!! 何なんだ!!」
俺は目を開けた
もう限界だった
とんでもない化け物がたたずんでいることを覚悟していたのだが・・・
「あれ?」
そこには誰もいなかった
俺以外誰もいない
いつもの終電の状態だった
ガタンゴトンと電車が走る音だけが響いていた
夢?
いや、あんなリアルな夢があってたまるものか
だが、どこを探しても側に誰もいなかった
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成仏できずにさまよい死ね瞬間を永遠にループする、そんな空間にあなたもひきずりこまれてしまっていたかもしれませんね。