親子の声

電車はそれから無事終点に着いた
納得いかない俺は車掌さんに、今さっき起きたことを話してみた

すると、車掌さんは急に小声になった

「まださまよっているのか・・・。お客さん、次は違う車両に乗りなさい。そうすれば大丈夫だから」

どうやらこの車掌さんは何か知っているようだった
俺はさらに聞いてみたが、後は何も話してくれなかった

俺は家に帰って、調べてみることにした

すると、今から45年前にあの路線で大きな脱線事故があったことがわかった

何十人も死んだらしい
その中には子供も含まれていたという

きっと、あの声は45年前の脱線事故に巻き込まれた人だったのだろう
複数の声が聞こえたのは色々な人の霊が混じっていたのだろう

確か、あと何回なのかって言っていたな
おそらく、何度もその事故を繰り返しているのだろう
最後に聞こえた轟音は事故の瞬間の音だったのだ

今度、その事故にあった場所に花を供えに行こうと思う
どうか成仏して欲しいものだ