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心霊

六文さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

居酒屋の「見えない」男性
短編 2021/02/08 22:55 3,708view

20年前の学生時代のお話です。

当時、医療系の専門学校に通っていました。
医療系の学校で必ずあるのが、「チームで取り組む課題」。

チームのメンバーが仲良ければ、すんなり取り込める課題でも、仲の悪いメンバーで組まれると、思うように進みません。

今回のチームメンバーはクラス史上最も仲の悪い女子5人。

チームのリーダーとなった私は、なんとか課題をスムーズにすすめようとしましたが、まず誰も話さない。

これは、まずい。
せめて、話せるくらいの仲にならないとな。作戦を練りました。

5人ともお酒が飲めるし、1度飲み会でもやってみたら、仲も良くなるかもしれない。

メンバーの了解を得て、飲み会を実施する事になりました。

誰も連絡先を知らない仲。そして、系統も全く違う5人。席に座っても誰からも話す事なく沈黙が続きます。

全員分のアルコールが揃い、乾杯の時。
何故か6杯。1杯多いけど。
店員さんに言うのも益々場がしらけそうで、私が飲むからいいやって、自分の席にジョッキを2つ置きました。

ジョッキを両手でそれぞれ持って、
「今夜は無礼講ーー!!」
と叫んだ後、びっくりするくらい静まり返りました。
無礼講な沈黙だわ。

長机に3人と2人に分かれて、向かいあって座っています。が、誰も目を合わせないし、やっぱり喋らない。

それでも、仲を深めねばと必死で私一人で喋ってましたが、他の4人は喋りません。

どこに口を落としてきたんだよ、と心の中で毒づいていました。

2回目のアルコールが届いた時、また1つ飲み物が多い。


「だれ?頼んだの。私が頼んだっけ?」と聞くと、

一番仲の悪い2人(A子とB子)が目を合わせていました。

なんだよ、目と目で話して。答えないのかよ。
、、、あー、それともこの2人のどちらかが間違えて頼んだんだろうか?

でも、この2人がアイコンタクトを取るようになってから、ボソボソと会話が生まれるようになりました。

会話が出始めたのでホッとしたのですが、また飲み物を注文するとまた1つ多く持ってくる。

そうか!皆の分を一緒に頼んじゃうからいけないのか。今度は個人で頼んで貰えば、多くなく持ってきて貰えるかも。

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関連タグ: #声#学校#酒
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