居酒屋の「見えない」男性
投稿者:六文 (1)
20年前の学生時代のお話です。
当時、医療系の専門学校に通っていました。
医療系の学校で必ずあるのが、「チームで取り組む課題」。
チームのメンバーが仲良ければ、すんなり取り込める課題でも、仲の悪いメンバーで組まれると、思うように進みません。
今回のチームメンバーはクラス史上最も仲の悪い女子5人。
チームのリーダーとなった私は、なんとか課題をスムーズにすすめようとしましたが、まず誰も話さない。
これは、まずい。
せめて、話せるくらいの仲にならないとな。作戦を練りました。
5人ともお酒が飲めるし、1度飲み会でもやってみたら、仲も良くなるかもしれない。
メンバーの了解を得て、飲み会を実施する事になりました。
誰も連絡先を知らない仲。そして、系統も全く違う5人。席に座っても誰からも話す事なく沈黙が続きます。
全員分のアルコールが揃い、乾杯の時。
何故か6杯。1杯多いけど。
店員さんに言うのも益々場がしらけそうで、私が飲むからいいやって、自分の席にジョッキを2つ置きました。
ジョッキを両手でそれぞれ持って、
「今夜は無礼講ーー!!」
と叫んだ後、びっくりするくらい静まり返りました。
無礼講な沈黙だわ。
長机に3人と2人に分かれて、向かいあって座っています。が、誰も目を合わせないし、やっぱり喋らない。
それでも、仲を深めねばと必死で私一人で喋ってましたが、他の4人は喋りません。
どこに口を落としてきたんだよ、と心の中で毒づいていました。
2回目のアルコールが届いた時、また1つ飲み物が多い。
私
「だれ?頼んだの。私が頼んだっけ?」と聞くと、
一番仲の悪い2人(A子とB子)が目を合わせていました。
なんだよ、目と目で話して。答えないのかよ。
、、、あー、それともこの2人のどちらかが間違えて頼んだんだろうか?
でも、この2人がアイコンタクトを取るようになってから、ボソボソと会話が生まれるようになりました。
会話が出始めたのでホッとしたのですが、また飲み物を注文するとまた1つ多く持ってくる。
そうか!皆の分を一緒に頼んじゃうからいけないのか。今度は個人で頼んで貰えば、多くなく持ってきて貰えるかも。
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