思い出せない記憶
投稿者:J2 (8)
今から数年前の話です。私が社会人になって2年。
おかしいなと感じることが増えていました。
首が絞めつけられるような痛みを感じて病院に行くと、原因が分からないと言われて湿布と痛み止めを出される。
仕事では信じられないようなミスが増え、着々と周囲の信用を失っていく。
仕事に行くとなぜか異様なぐらい周りの目が気になるが、誰も事務所にはいない。
「私って頭がおかしいのか?」という心配を抱えるようになりました。
上司と話し合い、自宅療養を優先して会社を退職することになりました。
無職になって家でのんびり寝て過ごすことが増えた頃、さらにおかしなことが増えていました。
朝、工事現場のようなもの凄い騒音がして耳を塞ぐ。
耐え切れなくなり、雨戸を開くと急に音がおさまり、周囲には音源となるものもない。
また雨戸を閉めるとチェーンソーや物を破壊するような音が聞こえる。
何が起こっているのかサッパリ分かりませんでした。
そんなある日、私の携帯に1通のメールが届きました。
それは前の職場の同僚からです。
「最近見かけなくなりましたが、何かあったんですか?」
そう訊かれて、「体調的にしんどくなって退職しました。」と返しました。
私はこのメールの送り主が親しくしていた先輩Aさんだと考えていました。
しばらく「体調どうですか?」という気遣いメールが届くように。
退職してから半年程、謎の騒音に耐えながら前の職場の同僚とメールする日が続きました。
しかし、半年ほど経ってから1つの疑問に直面しました。
それは、「あれ?私ってAさんに連絡先教えたか?」ということ。
前の職場の人とは仕事での関わり以外プライベートでの関わりは一切ありません。
緊急連絡用で携帯番号は上司に伝えていましたが、メールアドレスを同僚と交換したことはありません。
「え?じゃあ、このメールってAさんじゃないの?」
そう思いましたが、今さら「誰ですか?」とも訊けません。
一緒に住んでいた母にメールのことを話しました。
母も「Aさんじゃないなら誰だろうね。」と一緒になって考えてくれました。
その瞬間、急に「ドンッ!」と激しい音がしました。
外を見ると2階の窓が外れて外に落ちているのです。
それも、直立した状態でガラスが一切割れることなく。
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