本当に怖いのは人間
投稿者:ナタ (21)
短編
2022/06/15
21:56
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これは私が小学生の頃の出来事です。
私の通う小学校は、当時住んでいた家から40分ほど歩いたところにありました。しかし、小学校までの道のりはほぼほぼ一本道で、広くて大きな歩道をひたすら真っ直ぐ直線に歩いて行くというものでした。
そのため、何キロか先の景色もうっすらと見えるようになっています。
そんなある日、友達と2人で学校から下校している時でした。いつものように大きな一本道を2人で帰っていると、後ろに何やら人影がありました。
一本道の数百メートル先に男の人がいるのが見えたのです。
最初は気にはならなかったのですが、ふと振り返ると、数百メートル先から男がこちらに向かって全力疾走していました。
しかもよく見ると手には刃物のようなものも持っています。
恐怖で一瞬動けなかった我々は、力を振り絞り全力で一本道を走って逃げました。一本道なので相手との距離感が縮まってくるのがよく分かりました。
無我夢中で走り続け、気が付くと男は我々を追いかけるのを止めていましたが、その恐怖は凄まじいもので、後日学校の門に立っている警備員さんに報告しました。
報告した次の日から我々の通学路にはパトロールが巡回するようになりましたが、初めて不審者というものを目の当たりにしたあの日のことは、まだ小学生だったということもあり、今も鮮明に頭に残っています。
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