ドアを叩く正体

結局、アイツが何者で俺に何の目的で執着していたのかは分からないままだが、早めに引っ越しをして大正解だった。
世の中頭のネジが外れた奴はごまんといる。
出来ればこれからもそんな奴に関わらないように生きていきたいが、こればかりは時の運だろう。

今回の騒動は人生の勉強代だと考えた方が精神的にも健康で建設的だ。

それにこの事件のおかげで俺は今新境地に目覚めた事だし、損失と利益を比べればイーブンだろう。

「おーい、行くぞ」

「おう」

あれから二か月後、俺は相変わらず友達とは仲が良い。
何せ俺は今恋をしているのだから。