作り話
投稿者:とくのしん (65)
手前の部屋は汚いだけで怖さはなかったそうだが、奥の部屋に足を踏み入れると背筋が凍る感覚に襲われたそうだ。さすがのOもかなりビビっていたらしい。
部屋には箪笥があり、その隣に姿鏡。部屋の奥にお札が貼ってあったという。
「新井さん新井さん、いらっしゃいますか。いるなら合図してください」
一同がビビっている中、Aが急に例の言葉を口にした。
「A!急にやめろよ!」
とOがキレていると、ドン!とどこからか音がした。
誰かが音を立てたと思ってお互いを見つめあっていると、ドン!と再び音がした。
「新井さん新井さん、いるなら出てきてください」
と続けてAが唱えだした。それも2回続けて。
「やめろっていってるだろ!」とAに掴みかかるO。
すると階段からギィギィと不気味な音がし始めた。
5人は息をのんだ。誰かが上がってくる。
不気味な音が段々・・・段々近づいてきた。
誰も動けないで階段を凝視していた。
ギィギィ・・・ギィギィ・・・その音はもうすぐそこまで迫っていた。
ゴッ!
一番上まで上がりきったのか、靴底で床を叩いた音がした。
ぬ~っと男が部屋を覗き込んできた。帽子を深く被った作業服の男だった。
男はじっと5人を見つめたまま動かなかった。
5人のうちEが「勝手に入ってすみません!すぐ出ていきます」と大きな声を張り上げた。
その言葉にも男は全く反応しなかった。その異様さに風貌から用務員かと思って一瞬安堵したというMは、これは相当やばいと感じたそうだ。
Oが「ホントすみません!謝りますから!許してください!」とボスの威厳無しに平謝りしてみるが男は動かない。
よく見ると男の眼は左右別の方向を向いていた。いわゆるロンパリというものだが、その眼がギョロギョロと動いていた。
Aが「新井さんだ・・・」とボソっと呟く。
「作り話だったのになんで・・・」とAは震える声で呟いた。
一同Aに視線を移すと
「ん゛――――!!!!!!!!!」
と男が声を上げた。
5人は一斉に男を見ると、首をぐるりぐるりと回しながら近づいてくる。
「うわあああああああああああああああ!」
誰かが声を上げた。
埼玉のあそこのことかな
面白かったです
うん
あそこだね。今は骨組みだけらしいよ
ゾクゾクした。
久しぶりに怖い話見れて満足した。