こんなにいっぱいいたのかよ

（そのまま帰った方がいいに決まってる。）
そう思う私を尻目に話しは進み、ついに自殺者が多発したというヤバすぎる心霊スポットに足を踏み入れる事に。

たった二本の懐中電灯を頼りに男女8人でガラスが全て割られた正面入口から中に入ると、
解体作業を途中で放棄しただけあって中は荒れ放題。
床にはありとあらゆる物が散乱していた。

一同強烈な寒気に襲われながら、真っ暗なホテルの中を進むと
上階へ続く階段を発見した。

「上は客室だよな。」
「客室はさすがにヤバいだろ。」
「少し見たらすぐ出よう。」

と階段を昇ろうとすると、

「バーンッ！！！」
と上階から何かが落下したような大きな音が聞こえた。

「なになになに！！！」
「ヤバいって！！！」

私達は身を寄せあいながら完全にパニックに陥った。
普段は強気な男達も震えあがり、女の子達は恐怖のあまり泣いていた。
誰もいないはずの上階からなぜあんな大きな音が？
しかも階段を昇ろうとした瞬間に？
これは完全に霊が私達に警告を発していたんだと思います。
「これ以上遊び半分で立ち入るのは許さない。」と。

「もう出よう。これ以上はマジで洒落にならんわ。」

私が皆に提案すると、
「だな。さすがにヤバすぎる。」
「帰ろ。帰ろ。」
と皆私の提案を承諾し、上階に昇るのを断念して
来た道を引き返していると一階の奥の方（恐らく大浴場）から
「ガラガラガラー・・・・ドンッ！！！ドンッ！！！ドンッ！！！」
とまたしてもものすごい大きな音が。

「ギャアー！！！！！！」
とみんな叫びながら入口まで猛ダッシュ。
私達が走っている最中も
「ドンッ！！！ドンッ！！！」と何かを叩いているような音は鳴りっぱなしでした。