こんなにいっぱいいたのかよ
投稿者:キョンシーズ (11)
「誰がビビるか!行くに決まってんだろ!」
と見事に煽りに乗っかってしまい、その心霊スポットに行く羽目に。
聞くとその心霊スポットはバブルの時期に立てられたホテルで、
宿泊客の自殺者が絶えず何年も前に潰れ、
取り壊しが決まったが、
解体作業中にあまりにも心霊現象が多発したため
業者が撤退し、そのまま建物が残されているらしい。
そんな身の毛もよだつような場所に向かっているというのに
車内は遠足にでも行くかのような盛り上がりをみせていた。
暗くて視界が悪い山道をひたすら進むと
右手に大きな建物らしき影が見えてきた。
「あれじゃね?」
「あれだあれだ!」
「やべぇーめっちゃ雰囲気あんじゃん!」
「早く行こーよ」
と友人達は不気味な雰囲気が漂う廃墟の姿が見えて更に盛り上がった。
そんな盛り上がる友人達とは反対に私は全身から冷や汗が溢れ出てきた。
(あんな場所に行ったら絶対にヤバい!引き返したい!)
内心そう思いながらも盛り上がる友人達にはもはや何も言えず、
ついにその心霊スポットに着いてしまった。
だだっ広い敷地の真ん中にどっしりと構えるその10階建て程のホテルは、
近くで見ると想像よりも遥かに大きく、不気味なオーラが建物中から出ているような気がしました。先ほどよりも更に深く異世界に迷い込んだ様な感覚になりながらもホテルの入口の前に車を停め、車を降りると
「うわ~近くで見ると何かヤバいね。」
「何かすんげぇ寒い。」
「分かる。さっきまで暑かったのに急にめちゃ寒いよね。」
「え~超怖いんですけど。」
さすがに皆異様過ぎる雰囲気を肌で感じ取ったのか、先ほどまでの盛り上がりが嘘のように
恐怖を口にして静かになった。
「でもここまできてそのまま帰るのも何か勿体ないから、入って見ようよ。」
「まぁな。でも男女ペアで一組ずつとかはさすがにヤバそうだから皆で一緒に入るべ。」
「そうすっか。」
「よし皆はぐれんなよ。行くぞ。」
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