こんなにいっぱいいたのかよ
投稿者:キョンシーズ (11)
そして真っ暗な中、月明りが見える入口を目指して脇目も振らず猛ダッシュし
何とか外に出ました。
「みんないるか?」
息も絶え絶えになりながら聞くと、皆も何とか無事に外に脱出していました。
「やばかったなマジで。」
「これ以上は危なすぎるな。」
「帰ろ帰ろ。」
無事に外に出られて安堵しながらも皆足早に車に乗り込みました。
そして私が車を発車させようとすると友人Aが
「ちょい待って。」
と言って再び車から降り、事もあろうにホテルに向かって携帯を構え、カシャカシャと写メを撮り始めた。
私は呆れながらも、窓を開けAに声を掛けました
「早く乗れ。置いてくぞ。」
「OKOK。今乗る。」
そう言ってAが後部座席に乗り、やっと異世界から抜け出す事が出来ました。
「いやーヤバかった。死ぬかと思ったねホント。」
「マジでな。二度と行かない方がいいなあそこは。」
などと車内は無事に帰路に付けた安心感に満ちた会話が飛び交った。
「てかAがさっき撮った写メ見せてみ?」
「OK。何か写ってっかな?」
そう言って後部座席ではAが先ほど撮った写メを皆で鑑賞していた。
すると「うわー!!!」と
後部座席の皆が大きな声で叫びました。
「なんだなんだ。何か写ってたのか?」
私が聞くと、Aは助手席の友人Bに携帯を手渡し、
「撮んなきゃよかった・・・」と言いました。
適当に路肩に車を停車させ、Bと一緒に写メを見ると全身に鳥肌が立ちました。
Aが撮ったホテルの写メには、上階のほとんど全ての窓からおびただしい数の人がこちらを見ている様子がばっちりと写っていました。
数人とかではなく数百人はいるであろうという本当におびただしい数の人でした。
「こんなにいっぱいいたのかよ・・・」
「階段昇ってたら俺たちきっと死んでたな。」
「間違いない。ホントあれ以上深入りしなくてよかった。」
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