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妖怪・風習・伝奇

kneeganさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

本当に居た…?お盆期間のお墓
短編 2022/05/04 15:47 1,384view

風変わりな風習である、と知ったのは大人になってからでしたが…私の生まれ育った地域では、お盆の時期になると、ご先祖さまの墓の周りで花火や爆竹をするという風習があります。

子どもの頃は、親戚や歳の近いイトコと花火で騒げるとあって大好きな行事でしたが、県外に出てくるとそんな風景は全く見ませんね。

そんなお盆のお話です。

私が小学生くらいの頃、例年のようにお墓参りと一緒に、イトコたちと花火をしていました。その中に、まだ3歳か4歳くらいの男の子もいたのですが、その子が不意に聞いてきたのです。

「どうして、お庭じゃなくてお墓で花火するの?」

微笑ましい質問に、「そうだねー。死んじゃってお空にいるおじいちゃんおばあちゃんが帰って来れるように、花火で明るくしたり五月蝿くしたりするんじゃない?」と答えました。

するとその子は、「そうなのかー」と周りを見回して、ある1つの墓石の方を見て、にっこりして言いました。

「ほんとね、おじいさんがおるねぇ」

その方向にはどう見ても人はおらず、内心とても驚いたのですが、その子本人はただニコニコと笑ってそちらを見ていました。その子が生まれてくる前に亡くなった祖父なのでしょうか…?

お墓を後にするとき、おそるおそる「おじいちゃんまだ居るの?」と聞くと、「おらんよ、さっきバイバイしたよ」と。

子どもは大人に見えないものが見えるとよく言いますが、この日は本当に帰ってきてくれていたのでしょうか。

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関連タグ: #お盆#墓#石#風習
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