鏡の都市伝説を試したら
投稿者:足が太い (69)
「やっぱり、じゃあ、あなたは本物の友達Aじゃなくて鏡の中の…」震える声でそう言うと、友達Aは「どっちでもいいじゃない。どっちも本物の私。あっちの世界の私も、こっちにいた私も、どっちも私よ」とニタニタ笑いながら言います。
友達Aの様子に恐ろしくなった私は、「一刻も早くこの家から立ち去りたい」と、走って玄関へ向かいました。
友達Aは「待て!」と恐ろしい声を出して追いかけてきましたが、間一髪で玄関の外へ出ると、それ以上は追いかけてきませんでした。
友達Aの家を出て、走って近くの道路まで向かい、そこに停まっていたタクシーに転がり込むように乗りました。
不信な顔をする運転手に行き先を伝え、そのままタクシーで家まで帰ったのです。
友達Aとは、あれ以来全く会っていませんし、連絡も取っていません。
友達Aの共通の友人・知人に会う機会があったので、それとなく友達Aについて聞いたのですが、「そういえば全然会ってないなぁ」と皆、口を揃えて言います。
電話で話すことはあるけれど、なぜか友達Aは家の外に出ることがないのだそうです。
その中に友達Aの家に行ってそこで会った人はいなかったので、「以前の友達Aと今の友達Aとで、ホクロの位置が違う」ということは聞けませんでした。
私の推測ですが、いままで現実世界で暮らしていた友達Aはきっと、鏡の世界に取り込まれたんだと思います。
そして、今、現実世界で暮らしている友達Aは、元々は鏡の世界の住人だったのでしょう。
自分で鏡の都市伝説を試せば、友達Aを元に戻す方法が分かるかもしれないと思い、昨夜1人で試してみたんです。
すると、友達Aの言っていた通り、姿見には背中を向けた状態の私が映っていました。
次もまた試してみれば、もしかすると私も鏡の世界に取り込まれるかもしれません。
次にここに書きこむのは…、鏡の世界にいた私かもしれないのです。
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