物置小屋に現れた謎の生き物

私の家には2階の窓を開けて見下ろすと、すぐ真下に小さな物置小屋があります。

その上の電線に鳥が止まるため、いつも鳥の排泄物を流すべく、2階から物置小屋の屋根にバケツの水をかけていました。

しかし、ある日の朝、物置小屋の屋根を見ると黒い墨汁のような、ペンキのような汚れが見えました。

そしてその近くには人の靴跡のようなものも。

いたずらされたと思い、その日から私は2階の部屋で寝ることにして、夜見張ることにしました。

深夜2時頃、私が寝ていると「ドス」というような物音で目が覚めました。

慌てて窓の隙間から覗くと、何かが動いています。

懐中電灯の光を向けた瞬間、それの姿が見えました。

まるで黒ヒョウのような姿の動物が人の身体を咥えるようにして屋根から飛び降り、去っていきました。

住宅街の多いこの地に黒ヒョウなどいるはずもなく、そもそも咥えられていたあの人は何だったのか。

色んな恐怖が入り混じり、頭がパニックになりました。

今度見かけたらカメラに収めようと思い、準備もしていましたが、その日を境に現れることも屋根を汚されることもなくなりました。

黒い墨汁のようなものはバケツの水で流せましたが、未だに謎の靴跡は何回水をかけても落ちることがありません。