「・・・さん!わかりますか!」
「目覚めたぞ!はやく、先生呼んでこい!!」
周りがすごく騒がしい。
・・・私は、病院のベッドに寝かされていた。
「あれ?あ・・・え・・・なんで俺・・病院にいるの?」
私の疑問に、ベッド脇で泣いている母がこたえた。
「あんたの乗った教習車が運転中に大事故を起こしたのよ」
「え?」
思い出せない・・・
「あ・・そうだ・・生徒の丸山さんは・・・?」
「・・・・・なに言ってんのよ!あんたが丸山じゃない!」
「え・・・?じゃあ、俺は誰を乗せてたんだい?」
「あんたはね・・・死体を乗せていたのよ」
「え?それって、トランクに死体が入っていたとか?」
「死体を助手席に乗せて運転していたのよ・・・・」
「馬鹿な・・・それで・・・
・・・その死体は誰だったんだい?」
「・・・・・・あんたよ」
母は笑う
そういえば俺には母親はいない。
顔さえ知らない
母だったモノの顔が崩れていく。唇が剥がれ落ち、歯茎が剥き出しになる。
それでも笑っているのが分かる。
俺は、また気が遠くなった。
・・・・・ふと目を覚ますと
教習車は夜の山道を走っていた。
「・・・」
「あ、起きました?」
「・・・ねえ・・・きみ・・・・・誰?」
「わたしは誰でもないですよ
ここでは路上教習であること以外に確かなものなんてありませんから
つまりはですね
・・・あなたは地獄に落ちました」
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