降霊術の失敗
投稿者:津々 (42)
たぶん、この話をしていた頃から教室の雰囲気はおかしかったんだと思います。
しかし、そんな事にも気づかずにこっくりさんを始めました。
僕たちは、5人で机を囲みこっくりさんを始めました。
いつもと違い、重苦しい空気でした。
例のごとく「こっくりさん、こっくりさんおいでください」と神の鳥居に置いた10円玉に指を乗せ唱えました。
すると、風も吹いてないのにカーテンが「サワサワ」と動きました。
また、黒板消しが「バン」と急に落ちたり掃除用具箱の中で「ガタガタ」いったりと怪奇現象が起きました。
普段ではこんなことは起こらないので、S以外はパニックで指を10円から離しそうになりました。
しかしSが、「指を離したら呪われるぞ」と何度も僕らに話すのでギリギリのところで離さずに済みました。
しかし、教室で起こっている怪奇現象は止まる事はありませんでしたが、Sは「こっくりさんおいでになったら、はいにお進みください」とこっくりさんを続けました。
僕は、「何言ってんだこのバカは」と思いましたが、本当に呪われそうで指を話すことはできませんでした。
そんな怪奇現象の中でも、Sは「Oに仕返しをしてくださいますか」とこっくりさんを続けます。
Tが動かしているのか、本当に幽霊が動かしているのか、面白いように10円玉は動きました。そしてSの質問に10円玉は「はい」に止まりました。
S以外の僕たち4人は、顔を見合わせました。
それは、本当にOに何か起こるんじゃないかという不安からと、もしかしたら自分たちも呪われるという思いだったからだと思います。
そしてSはついに、「こっくりさん、こっくりさん。Oを殺してください」とニヤニヤしながら言いました。
多分、この時にはSは憑りつかれていたんだと思います。
しかし、10円玉は「いいえ」に動きました。するとSは、「誰だよ!余計なことする奴」と興奮していましたが、僕たちは「してねぇよ」と答えるしかできませんでした。
するともう一度Sは同じ質問をしましたが、結果は同じ。
それでもあきらめきれないSは、「こっくりさん、こっくりさん。どうすればOを殺してくれますか?」と質問したのです。
すると10玉は、「いけにえ」と動きました。そこでついにTが指を離してしまいました。
するとその瞬間、Tは泡を吹きながら激しく痙攣しました。その光景に僕たちは10円玉から指を離してしまいました。Tに駆け寄り「おい!大丈夫か?しっかりしろって」と叫んでいると、騒ぎに気付いた先生たちが教室になだれ込んできました。しかしSだけは、一人でこっくりさんを続けていました。そんなSを見たO先生は、Sを思いっきり殴りました。
そのおかげで、Sも10円から指が離れ殴られたせいか、気絶してしまいました。
その後、全員の親が呼び出され事情の説明と説教をしこたまされました。
そして、痙攣したTはあのまま精神病院に入院して今も退院をしていません。またSも、自分のしたことに責任を感じて心を病み精神科通いだと聞いています。
また、僕とZ,Y,W、はお祓いに行きましたが、一度では払いきれないという事で定期的にお祓いに行っています。
そしてSに呪いをかけられたO先生は、Sを殴ったという事でPTAや教育委員会で問題視され学校を去る事になりました。これは呪いなのかは分かりません…
あの日、行ったこっくりさんのせいで僕たちの学校もこっくりさんが禁止になりました。
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