何でも呪いとは拡散することでその力が多岐へ枝分かれし、例えば一人を呪い殺すような力だったとして、それが百人に分散されば弱まるという内容だった。
それが文章に変えた体験談だとしても、呪いであるならば書き手から読み手へと伝播するそうだ。
俺は藁にも縋る思いで一連の話に一部フェイクを加えながらその掲示板に投稿することにした。
今の俺達の状況が面白がって廃病院に肝試しに行った神罰なのか、はたまたその場に居た悪霊を怒らせた呪いなのか分からないが、拡散することで呪いを共有し、同じ立場の人間を増やすことでその力を少しでも弱めてくれたらと切に願った。
一通りの作業を終えた俺は静かに自室の机の引き出しの奥にしまったスマホを取り出す。
あの時肝試しに持っていたスマホで、実はあの心霊写真を撮った数日後に機種変更して以降、この引き出しにしまっていたのだ。
あの写真を消去すれば余計に呪われそうで、かといって捨ててしまえば更に恨まれそうな、そんな予感がこのスマホを補完するに至らせた。
俺は数カ月ぶりに電源を入れ、例の写真を確認することにした。
「……くそ」
やはりと言うべきか、その写真に写っていた筈の女性の顔がよりくっきりと長髪の間から覗いており、ついでに言えばあからさまに画面に近づいているようにも見える。
そして俺は徐に立ち上がり窓辺に寄りそい、カーテンの隙間から見慣れた近所の街並みを一望する。
犬の散歩をするおばさん、自転車を飛ばす学生達、歩行者優先のために一時停車する自動車、そして様々な形をした民家と屋根。
その屋根の一つ、ちょうど電柱が遮ったような角度の奥に、人影が見える。
本来なら居るはずのない屋根の上に人が立っており、数日前から俺を見ているのだ。
その距離は日を追うごとに近づいているのがわかる。
生前Bが言っていた「誰か見ている」というのはこのことなのだと思い知った。
廃病院に行った俺の自業自得なのだろうか。
提案したのはBだが決めたのは俺。
Cを誘ったのはBだが、Dを誘ったのは俺。
あの写真を何気なく撮ったのも俺。
今思い返せばBはきっかけにすぎず、決断した俺の自業自得だと半ば自棄になるように認めざるを得なかった。
ただ、呪いの拡散方法というのが効果があるものならば、俺の投稿を見た人間も肝試しをする前の俺のように刺激を求めてやってきたような人間に違いないだろう。
どのみちそういった場所へ踏み入るような人間ならば、それはそれで自業自得なのではないだろうか。
俺はカーテンを力いっぱい閉じ、古い方のスマホの電源を落とし引き出しにしまった。
Cは昏睡状態のまま未だ目を覚まさないし、Dは手あたり次第見つけた寺へ駆けこんで御祓いを頼んでいるようだが悉く断られているそうだ。
俺もBやCのようになるのも時間の問題だろう。
ただ一筋の光があるとすれば、あの人影が俺に到達するより早く呪いが拡散されて弱体化してくれることだ。
どうか、どうか、俺が死ぬ前にたくさんの人が呪われますように。
























こういうの怖いよーやめろよー???
最後ドキッとした
大丈夫とわかってても怖くなるねこういうのは
こういった呪いが伝播していくことで弱まっていくことは実際にあるよ
自己責任系なら先に書いといてくれよ
こえーよ
色々盛りだくさんで面白かった
呪われないよね…?
お呪いします
投稿者さんの名前までも怖い
呪いが拡散って・・・・
ためはち
ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ひぃぃぃぃぃ
秀逸!!。
面白かった。ぜひまた投稿してください。
最初から最後まで怖かった.…
わぁぁぁぁぁぁぁ
呪いも大変だな…
ネットの海で自分のことが書かれるのを待って、読んだやつを特定してなんかしなきゃいけないんだから
そりゃ疲れて弱くもなるよな
貞子DXかよ
てか呪いの拡散って一種の犯罪だろ泣
怖くないっていうか怖いところもあったけどなんか最終的に意味がわからなくなってしまって怖くなったって感じ
こええ?
呪いを掛けてください川辺しおりさんの首がはね飛ばられてのろわれ死んれ行ってくれる用にお願いします
なんかやばいやついる
お憑かれさまでした
うさぎパズルっていうホラーゲームでBみたいなやつ見た気がする
怖いて
黙祷