大晦日の恐怖体験
投稿者:Sennogi (6)
あれは忘れもしない、2011年の冬。
家族と新年を迎えようとしていた大晦日の夜のことだ。
私の実家では毎年、年が明ける0時頃に年越しそばを食べるのが恒例となっていた。
まだ小学生だった私は、母と祖母が年越しそばの準備をしている間
二階のリビングで兄弟とテレビを見ていた。
私の実家は昔ながらの二世帯住宅で、主に一階が祖父母と生活を共にする
リビングやキッチンがあり、二階が私たち家族の生活空間となっている。
0時を回り、下の階から年越しそばができたと母の呼ぶ声がする。
一緒にテレビを見ていた兄はすぐに降りていったが、マイペースな性格の私は
テレビがひと段落するまで降りるのを渋っていた。
しかし、年末年始の大事な恒例行事ということもあり、いつも以上に急かされた私は、名残惜しくもテレビの前から離れ、階段を降りようとした。
すると、階段横の主寝室の扉が開いているのが目に入った。
普段この部屋の扉は掃除の時以外はほぼ確実に閉まっていた。
ましてや、皆まだまだどんちゃん騒ぎをしているこんな大晦日の夜に
主寝室に用のある者などいない。
「開いているなんて珍しいな。」
何気なく部屋の中に目をやったその時だ。
ドア越しで一番最初に目に入る、電源の入っていないテレビの画面の中に、
白い服を着た女性が立っていたのだ。
その恐怖のあまり、急いで家族のいるリビングに向かったので、
もちろんまじまじと見たわけではない。
しかし、後になって考えると、あれは画面の中に女性が立っていたというよりも、女性が画面に反射していたといった方が正しいということに気が付いた。
つまり、その女性はちょうど私の真横に立っていたのかもしれない。
ちょうどテレビの一番近くが私の寝るときの定位置だったのだが、あの日以来私は父と母の間で眠るようになった。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。