次にします。
投稿者:りう (54)
短編
2022/03/09
01:15
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社宅で単身赴任していたある日の深夜、玄関チャイムが鳴った。仕事から疲れて帰り風呂上がりで一杯やっていたので迷ったが、ドア越しに「誰ですか?」と応じるも無言。
は?と腹が立ちドアスコープを覗くと、中年女性が小学生くらいの女の子を連れて、2人で立っていた。
え?と思い、そのまましばらく耳を澄まして見ていると、女の子が
「次にしよう」
と言って立ち去った。でも中年女性はその場に直立してこちらを凝視しているままで、直立不動で動こうとしない。すると遠くから女の子が
「早くしろ!次にするぞ!」
と荒い口調で叫んだ。
すると女は「チッ」と大きく舌打ちしをして立ち去った。
翌朝、玄関ポストに手紙が入っていた。
そこには汚いえんぴつ書ぎの字で
「次にします。かしこ」
とあった。
「次」とは、「また別の日」という意味と解釈したので、不気味に感じて社宅からオードロックのワンルームに転居したのだが、ポストには
「次にします。かしこ」
と書かれた手紙が月イチで投函され続けている。
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