3万円台のアパートの押入れに現れた老人
投稿者:一八 (66)
この話は、数年前に僕が一人暮らしをするため上京した時の心霊体験です。
僕は、20代後半になり東京の世田谷区に住むためアパートを借りました。
家賃は、3万円台で安く部屋数も2つありリフォームされてきれいでした。
住んでから3日経った頃、押入れが気になりはじめます。
和室にある押入れの中は、普通でしたが、誰かが住んでいるような気配です。
家にいると、押入れからゴソゴソと音が聞こえてきます。
最初は、気のせいか、虫か何かいるのかなと思っていました。
夜寝ていると、やっぱり押入れから音が聞こえて人が動く感じです。
僕は、電気を付けて押入れを開けて確認しました。
すると、中には何もなく静かな押入れです。
それから毎日、夜になると、押入れから「ゴソゴソ」「ズズー」と動く音が聞こえます。
ある日の夜、僕は深夜12時ぐらいに寝ようとします。
布団で寝ていたら、押入れから、
「おーい。おーい。痛いから助けて。」
と、いう声が聞こえてきました。
僕は、夢の中と思っていましたが、目が開いたので押入れの戸を開けます。
すると、中には、60代ぐらいの老人が座っていました。
「ギャアー」
僕は、声をあげて老人に驚きましたが、さらに驚く事になります。
なんと、老人は下半身がなく足がありませんでした。
押入れから離れた僕は、玄関の外へ出て隣の男性に助けを求めます。
「ちょっと、すみません。押入れに知らない男性がいるんだ。」
隣人の男性は、僕の家へ入って来て押入れを見てくれました。
しかし、その時には、老人の姿はありません。
数日後、不動産屋に話し引っ越しをした僕。
今思えば、戦争で足を失った兵隊のような男性でした。
安かろう