夜にだけ見える不思議な泡
投稿者:レイレサ (64)
短編
2022/03/01
23:38
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例のT字路に差し掛かると何かが見えた。
ふわふわ浮かぶ無数の泡。
川さんはまた泡を見てしまった。
前回同様不思議と怖いという気持ちはなかった。
むしろ、暗い夜道に白い泡がふわふわ浮かぶ様はとても綺麗で心が奪われそうだった。
川さんは毎晩その道路を通るたびに泡を目撃するのだが、ある法則性に気付く。
いい出来事が起きそうな前日には泡がたくさん見える。
あまりよろしくない出来事が起きそうな前日には泡が少ない、或いは見えないことがあった。
泡はいつでも同じ量出てくるのではなくて、多くなったり少なくなったりするそうだ。
次の日に何があるのかで量が決まるらしい。
いいことがあると増えるし、よくないことがあると少なくなるか見えない。
川さんは泡が見える量で次の日に何が起きるかの判断が出来るようになった。
ちなみに、この泡は誰でも見えるわけでもないらしい。
感受性が強い、霊感がある・・・などの普通とは少し違う人だけが見えるようだ。
といっても、霊感のある人すべてが見えるわけでもないらしい。
泡は見せる相手を選んでいる。
その基準は分からない。
性格なのか、体質なのか。
泡は一体何者なのだろう?
少なくとも悪い存在ではないと思う。
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