のぞく女
投稿者:box (1)
これは、実際に私の両親が体験した話です。
今から35年ほど昔のことです。
とある田舎に住んでいた母【当時17歳】は、ある日、親の知り合いが住んでいる古いアパートの掃除を頼まれました。
「バイト代をやるからおじさんが出張で家を留守にする間掃除をしてやって欲しい」と、親から頼まれた母は、間取り2Kの小さなアパートの掃除をするだけでお小遣いが貰える事がラッキーだと思いそれを承諾しました。
ある日の事、当時高校生だった母は、夕方学校が終わって当時付き合っていた父「当時18歳」とアパートに掃除に行く事にしました。
アパートに着いた2人は掃除を始めました。
玄関を入り正面に6畳の和室、その左隣に4.5畳ほどの和室がありました。
特になにも起きることなく掃除をしていたのですが、4.5畳の和室の戸を開けた時に2人はすごく嫌な空気を感じたみたいです。
2人は薄暗く不気味な部屋だな、この部屋には何かありそうだと思いその部屋だけ掃除をするのを辞め戸を閉めました。
掃除も終わり辺りはすっかり夜になっていたので、2人はそこに泊まることにしました。
6畳の和室で石油ストーブを炊き、母は勉強をし、父は横になって休んでいました。
父がふとストーブの明かりに照らされた天井を見ながら母に言いました。
「天井にうつった明かりがしゃれこうべに見えるな、気味が悪い。」と、
父には天井にうつった明かりが人の顔の様に見えたと言います。
気味が悪いとは思いながらも若かった2人は気のせいかぐらいに思いその日は寝る事にしました。
今思えばこの時泊まらず帰っていればあのような体験をせずに済んだのかもしれません。
次の日。
その日は土曜日で、母は昼まで学校の為、
朝早くアパートを出て行きました。
働いていた父は仕事が休みだったので、母を見送った後アパートでもう一眠りする事にしました。
すりガラスの戸の向こうに玄関があり、
父はすりガラス越しに玄関を見る形で転んでいました。
しばらくすると玄関が開く音で父は目が覚めました。
目を開けると玄関のドアがすりガラス越しに開いて外の光が入ってくるのが見えました。
父は、母が忘れ物をし一旦帰って来たんだと思い、「どうした?忘れ物でもしたか?」と声をかけました。
返事もなければ帰って来た気配も無いのでおかしいと思い、玄関を出て外を見渡しました。
もちろん母は学校なので居るはずもありません。
父は、いたずらか何かだと思い和室に戻ってふたたび転んでいました。
しばらくするとまた玄関のドアが開き外の光が入ってきます。
父は直ぐに見に行きましたがやはり誰もいません。
なにかおかしいと思いながらも父は、「学校に遅刻するぞ、早く行けよ」と言い玄関のドアを閉め和室に戻りました。
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