幽霊は反撃を開始した！

昨夜心霊スポット巡りをしたことを思い出したからだ。

現地では何も起きなかったことで、その廃ホテルのことを少し甘く見てしまったのだ。

実際には幽霊は居たのかもしれないが、Ｏさん達には見えなかった。

見えないからと調子に乗ってしまったのが悪かったんだろう。

馬鹿にされた幽霊がＯさん達に腹を立てて反撃のチャンスを狙っていたのかもしれない。

仕返しとばかりに電気の配線を切ってしまったのだろうか？

停電になって慌てふためくＯさん達の姿を見て面白がっていたのかもしれない。

「電気の配線が切れただけでそれ以外の害はなかった」

「その後は何も起きなかったから、停電させることしかできなかったのかもな」

少し自慢するような感じでＯさんは自身の体験談を語ってくれたのだ。

私は少し寒気がした。

自慢するようなことでもないと思ったのだ。

それから数日後、Ｏさんは大変な目に遭わされてしまった。

バイトに行く途中で事故を起こしてしまったのだ。

正面衝突で車は大破してしまった。

大怪我しなかったのが救いだった。

ただ、大破した車を見てパニックを起こしてしまい、離れて暮らしている両親に電話で泣きついたそうだ。

まだ廃ホテルの幽霊はＯさんの側にいるのかもしれない。