部活の夏合宿に現れた白い人影

　私が高校１年生の頃の話です。夏に1泊2日で部活の合宿を行うことになりました。

　合宿場所は、バーベキューやキャンプもできるような広い公園。竹林があることで知られており、薄暗いこともあって以前から不気味な噂を耳にすることもありました。

　そんな噂のことを気にしつつも、泊りがけの行事ということで他の部員たちも楽しみにしていました。到着すると早速、広いバンガローの中で練習開始。楽器の部活に所属しており、汗をかきながら夕方まで演奏に励みました。

　そして夜になり、カレー作って夕食を囲み、その後は花火大会。周りの明かりが少ないのでとても綺麗で大盛り上がりでした。

　そんな和気あいあいとした雰囲気のまま、その日宿泊するバンガローに移動します。それぞれ入浴したり、お菓子を食べたりくつろいでいる中、UNOをやろうということになりました。全員が輪になって遊んでいましたが、その時私は窓が正面に見える位置に座っていました。

　順番にカードを出して進行していく中で、何気なく窓の方に目線が行きました。少しだけカーテンが開いており、隙間から外が少しだけ見える状態です。何となく窓を見ていたその瞬間、カーテンの隙間をさっと白い人影が通り過ぎて行きました。えっ？！と思い、他にも見た人がいないか周りを見渡してみると、隣に座っていた友達もビックリした顔をしており、自分の見間違いではないと分かりました。

　その後全員がギャー！！と大騒ぎ。勇気を出して窓を開けて外を確認しましたが、小さなバルコニーがあるだけで、周りは崖です。人が音もなく上がって来られるような場所ではないのです。

　結局正体は分からず、今でも忘れられない恐怖体験です。