冬の海に沈む車
投稿者:上龍 (34)
短編
2022/01/30
19:46
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私は釣りを趣味にしており、休みの日にはよく愛車を運転して海へでかけました。
その日はさっぱり釣れず気落ちし、諦めて車に乗り込む頃には夕方になっていました。
海沿いの道を走行中、前方に白いセダンを発見しました。
後部座席には幼い男の子と女の子が乗っており、ガラスに張り付いてじっとこっちを窺っています。
私が手を振り返すと姉弟らしい二人も大きく手を振ってきて、微笑ましさに顔が和みました。
ところが十分ほど経過した頃から様子が変わり始めました。ニコニコ笑っていた子どもたちの顔が恐怖と焦燥に染まり、拳や平手でバンバンガラスを叩き始めたのです。
まるで助けを求めてるみたいな行動に嫌な予感を覚え、スピードを上げました。
しかしどんなに頑張っても追い付けず、白いセダンとは一定の間隔を保ったままでした。
直後にセダンが大きく蛇行し、ガードレールの向こうに飛び出しました。
「危ない!」
咄嗟に叫んで急ブレーキを踏み、我を忘れて道路に降り立ちました。
しかしセダンの姿はどこにもなく、目の前にはただ歪んだガードレールが残っているだけです。
後日新聞を調べ、三年前にあそこで一家心中があったと知りました。
運転席の父親と助手席の母親、後部座席の姉弟は死亡したそうです。
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こっわ・・・
怖すぎて夜眠れません!!!( ノД`)シクシク…