海外シンガーのポスターが起こす怪現象
投稿者:ジュリー (62)
私が高校生だった18歳の頃の話です。
その当時はアメリカ番組が流行っており、ハマっていた私は学校から帰って毎日のようにテレビを見ていました。
私には当時、好きな海外シンガーがたくさんいました。
好きな海外シンガーのポスターを雑誌の付録で手に入れることが醍醐味でしたが、学生でお金もなく、質より量のポスター集めに明け暮れていました。
休日に近所のリサイクルショップをはしごして購入したり、友人、知人、親戚からもらって入手したり。
そうやって手に入れた洋楽ロックシンガーのポスターを部屋中にたくさん貼っていました。
その中に、1枚だけ気味の悪い仕上がりのものがありました。
それは親戚のおじさんから譲り受けたもので、紙袋に入った複数のポスターに紛れて入っていたものです。
そのポスターには、ギターを弾いている姿の男性ロックシンガーの全身が描かれていました。
他のボスターは本人を撮影した写真だったり、彼らの音楽アルバムの表紙を使用していますが、 それ1枚は無数の点々で描かれたイラスト風のものでした。
細部にわたり点々模様でうまく大小の濃淡を出しており、まるで芸術作品の様でしたが、なぜか顔の部分は爬虫類のように、やけに気持ち悪く描かれていました。
肌も全て点々模様で描かれてるので、ブツブツに見え、すごく気持ちが悪いです。
髪の毛がバサッとなびいて顔半分にかかっていて、目線は斜め下。
全体的に横向きなので、顔は全部見えない感じのものでした。
しかし、実際の彼はポスターの気持ち悪さに反して非常に格好よく、私が1番に応援していた人でした。
仕上がりの悪いそのポスターでさえも、描かれている彼のスタイルは抜群で、その部分だけは気に入っていました。
好きな海外シンガーの中でも特に好きな人だったからこそ、気持ち悪いとは思いつつ、寝転がっても見えるようにと、ベッドの足の方の壁に高い位置で貼っていました。
ある日の夜中、金縛りになってふっと目を開けると、真っ暗であるにもかかわらず、 そのポスターの顔の部分だけが太陽光が当たっているかのように光っており、よく見えました。
「あれ?なんで?」と思い、 金縛りにあいながら、そのポスターをじーっと見ていたところ、だんだんと彼の顔の向きがおかしくなっていきました。
じんわりと動き始め、少しだけこちらを向いているのです。
「ええ!?」っと思い、 さらに見つめていると、そのポスターの口のあたりから長い舌が出てきて、顔全体をなめまわしました。
恐怖の中声も出せず、 言葉にならない叫び声を心で叫びながら、その舌をよく見ていると、舌の動きに合わせて、舌の影が一緒に動いてる。
つまり、ポスターは平面なのに、舌だけが立体になっているということです。
見間違いではなく、 きちんと頭は起きてましたし、ポスターにはなぜか「ここを見ろ。」 と言わんばかりに、顔が光ってました。
超音波のような帯ってなんですか。