女子高の怪談
投稿者:繭 (42)
短編
2022/01/23
08:30
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都内の女子高に通っていた頃の話です。
その高校では夕方旧校舎3階のトイレに近付いてはいけない、もし近付けば花子さんに呪われると囁かれていました。
しかも私の高校の花子さんは小学生の女の子ではなく、長い黒髪の女の人らしいです。
人一倍怖がりだった私は噂を真に受け、旧校舎3階のトイレを使うのはできるだけ避けていたのですが……。
ある時、委員会の仕事で帰りが遅くなりました。教室を出た頃には窓の外はすっかり暗くなり、周囲は静まり返っています。
なお悪い事に私の教室は旧校舎の3階にありました。階段を使って下りるにはトイレの前を通らなければいけません。
もし花子さんと鉢合わせしてしまったら……一人で出ていく踏ん切りが付かず、教室の引き戸から顔だけ出して様子をうかがっていると、長い黒髪の女が階段を上がりきり、覚束ない足取りでトイレに消えていきました。
花子さんだ!
個室の方から聞こえてくる物音が恐ろしく、目を瞑って一気にトイレの前を駆け抜けました。
翌日この事を友達に話しましたが、まともに取り合ってもらえません。
1か月後、地味で目立たない古典の男性教師が懲戒免職になりました。
放課後のトイレに忍び込み、使用済みのナプキンを回収していたのが理由でした。
あの花子さんは教師の女装で、花子さんの噂も彼が流したものだったのでしょうか?
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