雪山から香る
投稿者:サクコウ (15)
これは登山仲間から聞いたその猟友会の知人の話である。
猟友会に所属するNさんは冬になるとカンジキを履いて散弾銃を持ち愛犬と雪山を散策するのが日課であった。
雪が積もり山のなかでも今まで行きづらい場所が雪の上を歩いていけるようになる。
そして毎年のごとく雪山を散策していると積雪のシーズンしか来ないあるポイントで今までと違うとても良い香りがしたそうだ。
だが愛犬の様子は少し違い尻尾を振って好奇心を示すどころか、やや何か警戒している様子であった。
雪山に長いするのは危険であるので長いすることなくその場を移動して散策の後帰宅したそうだ。
後日に再び同じ雪山を散策した際に途中で良い香りがした場所を不意に思い出しそのポイントへ向かった。
その場所へ着くとなんとも言えない甘酸っぱいような良い香りがするのだがどうも愛犬の様子は同じく何かを恐れているようでもあった。
しかし辺り一面雪景色で特に思い当たる物も何もないので先日と同じく帰宅した。
その日の夜になると何故か不思議と誰かが泣いている様な空気が漂ったそうだ。
奥さんは先に亡くなってしまったのでNさんと愛犬しかいないのだが。
それから春になり色んな近辺の里山を散策していたそうだが、例の雪山には一切行っていなかったそうだ。
そして後に同じ猟友会のメンバーとニュースから知ったのだが例の雪山の場所から雪が解けた所から一人の女性の遺体が見つかったそうだ。
死因は自害したという鑑識の結果だった。
Nさんはそれからというものその女性に対して仏壇でお参りするようになり、いまだに元気で愛犬と共に雪山を散策している。
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