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心霊

イエティさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ウミカクシ 海上の恐怖と街の伝承
長編 2022/01/05 12:42 19,695view
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小型船ゆえに燃料も心許ない。

瞬間移動を試すか、陸に上がってみるか、アンカー降ろして朝まで待つか。

朝まで待つ、3人の意見は一致した。

しかしここは極寒の海の上、時刻はまだ22時。

日の出まで8時間以上ある。

凍死のリスクもあるし朝まで待ったところでどうなる?

陸に上がるのは怖い、怖すぎる。

もう一度、瞬間移動を試すしか方法はなかった。

意を決して、ライトを消した。

「S浜S浜S浜…お願いします…」

それぞれ、手を合わせてS浜にたどり着くことを願う。

ライトをつけると、そこはS浜だった。

外洋の方にはイカ釣りの船が何隻もいる。

今から出ていく船ともすれ違った。

カップラーメン食べたあの場所から微動だにしていなかった。

時刻は21時過ぎ。

おそらく、時間は経過していない。

何かの条件が重なり、何かが引き金になり起きた現象だろうが、あの1時間の瞬間移動ツアーはあまりにも恐ろしい体験だった。

あれから近所の漁師さんやHの父親に話を聞いてみたが、そんな話は知らんと。

これといったオチはないが、実際経験したらわかる。

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