ウミカクシ 海上の恐怖と街の伝承
投稿者:イエティ (51)
長編
2022/01/05
12:42
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現実的ではない…
やむを得ず俺たちはO浜に上陸することにした。
移動の危険もないし、陸に上がればどうにでもなる。
朝方O浜の漁師が来たら事情を説明し明るくなってから移動すればいい。
早速船を進める。
徐々に、徐々に近づいていく。
その中で、段々と霧が濃くなっていった。
この地域は霧の発生が多いから最初は気にしていなかったが、この状況では見慣れた霧さえも恐ろしい。
「止まれ!!!!」
Eが唐突に叫んだ。
慌てて船を止めるH。
何が何だか分からない俺。
「よく見てみ、外灯の下・・・」
濃い霧の中、目を凝らす。
外灯の下、堤防、そこらじゅうに黒い影がいた。
イメージは千と千尋のラストシーンあたりに出てくる電車の中の人。
慌てて引き返し港内を出た。
もう既に、あの世と繋がってるのだろうか。
「てかさ、この時間、ヤリイカ釣りに出てる船けっこうあるはずなんだけど…一隻も見てないよな…」
Hが言う。
確かにそうだ。
この時期この周辺ではヤリイカ釣りが有名で、県外からも多くの釣り人が来ては夜に海に出る。
陸には黒い影、助けを求めるにも船はないし、次の瞬間移動でどうなるかなんてわからない。
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