曰く憑き物件
投稿者:サクコウ (15)
それから日常生活を送りながらその土地の情報を知っている人物を探すようになった。
しばらく経った日にその土地の近くに住む家の高齢の御婆ちゃんから話を聞ける事ができた。
今も近くに墓地があるが昔はその土地が墓地に繋がる道だったらしい。
それが年々住宅が建っていきかつての繋がる道を塞いで家が建てられたとのこと。
そしてその家も火事で燃えてしまったと。
E子自身はオカルトの話など信用しない超現実主義のOLであったが自身が生死を彷徨うまでどん底まで落ちた事もあり考慮しないではいられなかった。
一般的にオカルトなどの話では霊道と言って亡くなった方たちの通り道があるらしい。
E子は墓地に繋がる元道だった事もありそうとしか思えなかった。
そして不意に時間のある時に突き動かされる様にその墓地のお寺に行きお参りをした。
大変な思いをした自分の苦渋を感じながらも手を合わせると理屈ではなく頭の中や心がスッキリと爽やかになるような感覚がした。
その日の夜に不思議な夢を見る。
自分がいつも通り部屋で寝ているのだが金縛りで身動きがとれない。
かと言って普通の金縛りと違い恐怖感が迫ってくる気配も無い。
逆に自分が寝ている周りをたくさんの優しい存在が見守ってくれている様に感じる。
そのまま眠りに落ち翌朝目が覚めるとたくさん涙が流れた跡が付いていた。
それからというものE子の生活は大きなトラブルも起きず慎まやかな生活に幸せを感じながら過ごせるようになり、毎年お盆の時期になると墓地があるお寺にお参りに行く様になった。
E子いわく「世の中には自分の事だけでなく見えない力や流れや存在があって、そういう事を蔑ろにしてはいけない」との事。
すごくリアリティのあるお話でした。ありがとうございました。