タクシーから落ちる赤い長靴
投稿者:HLY (14)
短編
2021/12/17
19:34
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ある雨が降る深夜、私は車で帰宅の途についていました。前にはタクシーが走っていました。
走行距離も長くて私はだんだん疲れて来ました。早くつかないかなぁと思いながら、タクシーについて道を走っていた時、急に坂を下ったところでタクシーが止まりました。
周りには閑静な住宅街と、高校しかない静かな坂の下の道でした。夜中にこんなところで降りる人がいるのかぁと思いながら、対向車が来るので、ボーッとその様子を見ながら降りてくる人を確認しました。
老人が1人、ゆっくりと降りました。そしてドアがしまろうと思った時、小さな子が履くような赤い長靴がポトリと落ちたのです。
老人はそれに気づいていないいのか、スタスタと帰っていきました。
あれ?子供いたかな?と、その老人の後を目で追いましたがいません。
車が進んで流れるようについて行き、バックミラーで長靴の在処を見ましたが、ミラーに長靴は映っていませんでした。
あんなに赤くて目立つ長靴なのに一瞬でどこかいったの、誰か片したの?と不思議に思いながら、何となく前のタクシーに目を向けました。
そこには、運転手さんの他に小さい子が1人乗っていました。こんな時間なのになんで?と思いました。なんで1人でタクシーに乗っているの?と。
そのタクシーとはいずれ方向が変わり最後まで追跡できていません。あの長靴は一体誰のもので…あのタクシーに乗っていた子は誰だったのか。今でも気になっています。
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