誰かの不幸を願う短冊
投稿者:レイレサ (64)
数年前の6月に見てしまった嫌な短冊の話をしようと思います。
当時の私はどうしても叶えたい願い事がありました。
ショッピングセンターに設置されている七夕コーナーにちょくちょく足を運んでは、短冊に自分の願い事を書いて笹につけていました。
書いた短冊を笹につける時にどうしても他の人が書いた短冊も見えてしまいますよね。
その多くは「宝くじが当たって欲しい!」とか「〇〇君と両想いになれますように!」といったようなほほえましいものが多いのですが、たまに面白い短冊も見つけてしまうこともありました。
ある時は「仮面ライダーになれますように!」という小さな子供が書いたと思われる変身願望の強い願い事を見つけたり、ある時は「〇〇のレアアイテムが出ますように!」といったようなゲーム内アイテムが欲しい願い事も見かけました。
多種多様な願い事を見ては「みんな叶えたい願い事があるんだなぁ」と思いつつ、私は自分の願い事を書いた短冊を笹につけて帰ろうとした時に、ふと嫌な気配を感じました。
一瞬ですが、そこに黒い人影が居たような気がします。
昼間のショッピングセンターだったんですが、その時の七夕コーナーには私しかいません。
他の買い物客ではなく、見えた人影は霊的なものだとピンときました。
黒い人影が居た場所は七夕コーナーの端っこです。
そこにはもちろん笹が設置されており、誰かの願い事が書かれた短冊もつけられていました。
もう嫌な予感しかしません。
ですが、あの黒い人影がなぜ見えたのか気になってしまったので、その場所の短冊を確認することに。
「〇〇が死ねばいいのに!」
誰かの不幸を願う短冊がつけられていたのです。
不幸どころか死を願う短冊。
なんと恐ろしい願い事なんでしょう。
この不幸な短冊を見てしまったことを少し後悔しましたが、私はどうすることも出来ないと思い、見なかったことにしてその場を去りました。
次の日、私はまたそのショッピングセンターの七夕コーナーに足を運びました。
あの不幸な短冊がまだつけられているのか気になったからです。
やはり、まだつけられてました。
どうしよう、ショッピングセンターの店員に伝えた方がいいのか、それとも余計なことをしない方がいいのか、迷いに迷ったんですが、下手なことをして面倒なことに巻き込まれるのも嫌だと思ったので、見て見ぬふりをすることにします。
それから数日経ちました。
あの不幸な短冊のことがまだ忘れられず、またあの七夕コーナーに足を運んでしまいます。
不幸な短冊はまだついているのでしょうか?
闇が深そうな短冊とか絵馬って意外とありますよね