歴史のある博物館の入り口に立つ人
投稿者:HLY (14)
短編
2021/11/18
14:49
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地元に、歴史を紹介する大きな博物館があります。そこで起きた不思議な出来事です。
いつも祖母の家に行く時によくその前を車で通りました。大きいので、入口からしてもとても目立っています。
夜遅くに通ることもありました。田舎にある自然豊かな博物館の入口は遅くでもライトアップされていて、そこだけ夜は照らし出されていました。
私がまだ小さかったある夜、車で通った時に、ライトアップされた下に兵隊さんのような格好をした人がいたような気がしました。「ん?今のなんだろう」と思って振り返ってみてしまいました。
不思議と、その光景を見ても何も違和感なく、誰かいたなぁくらいに思っていました。
時はすぎて、小学校の終わりごろに校外学習でその博物館を訪れる機会がありました。
博物館内では戦争について紹介されていたりする展示も多くありました。よく調べてみると、その博物館の地では昔兵隊の訓練が行われていたり、兵隊の宿舎があったそうです。
近くの現在は公園になっているところには、実際に使われていた訓練具などもまだ残っていました。当時の写真を見ると、タイムスリップしたような現実味のある場所でした。
あの時見た兵隊さんは、そんな歴史のある地にもう一度戻ってきた人なんだろうかと、時を経て考えました。この校外学習が、思い出すきっかけになりました。
博物館の入口にじっと立つその姿は、今の日本はこんな風になったのか、と見ていたんではないかと思います。
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