廃屋で見た物
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
アルバイト仲間で肝試しに行った時の話だ。
肝試しと言っても、峠にある廃屋へ行くという、よくあるやつだ。
バイトが終わって深夜の12時すぎに、車を持っているAと、B、C、そして俺の4人で集まった。
早速Aの運転で峠へ向かったのだが、実のところ、噂の廃屋へ行く正確な道を誰も知らなかった。
ただ、廃墟好きのBが大まかな目印を知っているらしいので、Bを頼りに車を走らせていた。
Bが言うには、峠の途中に小さな祠があって、その横から細い脇道へと入るらしい。
出発して1時間ほどして峠に入ると、それらしい祠や脇道がないか4人で探していた。
「それってここじゃないか?」
Cは暗闇で目が効くらしく、すぐにそれらしい祠を見つけ、Aはその先で車をUターンさせてその横の脇道に入った。
脇道を行くと、わずか2~3分であっけなく1軒の家に辿り着いた。
「ここか…?こんなに簡単に見つかるとは…。」
車が数台停められるであろう広い庭に車を停め、4人は降りた。
家は豪邸とまではいかないが、かなり広い平屋作りで、既に10年以上も誰も住んでいない事が一目でわかる、いかにも廃屋というものだった。
4人で正面の玄関に行くがドアが開かなかったので、AとB、Cと俺で手分けして家の左右から中に入れる所を探すことになった。
しばらくして
「おーい、こっから入れそうだ!」
Cの声に従ってA,Bがこちらに合流してきた。
裏の勝手口のドアのカギは誰かによって壊されていて、そこから入ることにした。
全員がスマホのライトを点けて中に入ると、床はあちこちに穴が開き、壁にはお約束の落書きがあった。
「これはけっこう人気のスポットのようだな。」
俺がそう言うと3人は少し緊張が取れたのか、足元に気を付けながらもどんどん中へと進んでいった。
すると、Cが
「何か線香の匂いがする。」
と言うと、確かに全員が線香の匂いに気が付いていたので、Cの後を付いて行った。
臭いを辿って行くと、そこは広いお座敷だった。
全員でお座敷に入ると、そこには立派な仏壇があった。線香の匂いはここから発せられていた。
ところが、よく見るとその仏壇は何だか妙だった。
仏壇は、この廃屋にありながらピカピカにきれいに磨かれていたのだ。
つまり、つい最近誰かが仏壇の掃除に来ていて、線香まで上げていたという事だ。
しかし、もっと妙なのは、数本の線香からかなりの煙が出ていたにも関わらず、ほとんど短くなっていなかったのだ。
だ、誰かが直前に供養していた…?
めっちゃ怖い
近くに誰か隠れてたんじゃないですか?
これは怖い、((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
死ぬ前に線香をあげてた、、、こっわ!
入れ違いで来ていた…?