招かれざる同乗者
投稿者:武庫 (6)
これは、私が15年ほど前に大阪府に在住している時に聞いた話であります。
私が当時通っていた美容院の男性アシスタントスタッフ(Aさん)の体験したエピソードです。
ある年の夏の日に、Aさんは友人3人(男性Bさん、男性Cさん、女性Dさん)といっしょに居酒屋で楽しく酒を飲み交わしていた時、夏の思い出を作りたいという話の流れで肝試しをすることになりました。Bさんの意見でどうせ肝試しするならということで、大阪府の最強心霊スポット10選などにも選ばれている堺市の廃病院に行くことになったそうです。
Aさんが運転する車で病院に到着した時には、すでに深夜0時を回っており、辺りはよりいっそう怖さが引き立つ状態になっていました。4人は車を降り、特に何も考えず懐中電灯1つのみで肝試しをスタートさせました。
地元の人によると、昼間でさえ不気味で近づくことをためらうほどの心霊スポットとの話で、最初は4人ともあまりの不気味さに病院内に入ることを躊躇したそうです。ですが少し時間が経って怖さにも慣れてきた時にBさんが「せっかく来たから1階だけでも散策してみよう」と言ってきたこともあり、少しなら大丈夫だろうと肝試しを再開させました。4人とも特に霊感などがあった訳ではないのですが、明らかにこの建物はおかしいという感覚になったそうです。
その後、散策が終わりに近づいた時、突然Dさんが廊下の奥の方から人の気配がすると言い出しました。4人とも廊下の奥に意識を向けたその時、ものすごい物音が病院内に響き渡りました。まるで誰かが廊下に物をたたきつけような音だったそうです。4人は病院から飛び出し車に乗り立ち去りました。あまりの怖さに最初の数分は皆ガタガタと震えた状態でしたが、徐々に平常心を取り戻し会話をするようになりました。
だが、Aさんがとある異変に気付きました、、後部座席に乗っていると思っていたDさんがおらず、別のまったく知らない女性が同乗していました。その女性は何も喋らずうつむいたまま、3人はパニックになり、Aさんは慌てて病院に引き返しました。すると、Dさんは病院の前でうずくまっており無事でした。
到着した後、後部座席のドアを開けて見知らぬ女性に降りてくださいと促したところ何も喋らず降車し、Dさんを乗せて病院を離れたそうです。
その後、Dさんになぜ車に乗っていなかったのか?尋ねたら、物音がした後の記憶がないとのことでした。後日談で、4人とも肝試しの翌日から原因不明の高熱が出て数日間療養したとのことです。
R病院かな?
跡地は大丈夫なんやろか?
誰か行ってないんかな?