山道で
投稿者:武庫 (6)
怖いというより不思議なのですが、今でも忘れられない体験です。
地元の近くで、樹齢千年を超える有名な楠のある場所を偶然知ってから、その場所はすぐに私のお気に入りになり、休日によく行っていた時のことです。
私の生活圏からその場所までは山道を通るので、はじめは、道が狭く昼間でも暗い所があったりして怖く感じることもありましたが、何度か行くうちにすっかり慣れ、程よいドライブコースになっていました。
休日にいつものようにその場所に向かっている最中、何となくいつもと違う何かを感じつつ山道を走っていると、珍しく道の途中で車が止まっていました。
「あれ?ここ信号あったっけ?」と思いながら停車した瞬間、ふと目を向けると、反対車線のわき道から出てきた車と、対向車線を直進して来た車とがぶつかり、大きな衝撃音とともに、わき道からぶつかった車に押されるように反対車線の大きなワゴン車が停車中の車の真ん中にいた私の車まで、まるでそこにレーンでもあるかのように滑ってきました。
私はその車がスローモーションのように見えていたものの恐怖で体が全く動かず「終わった・・」と死を覚悟した時奇跡が起きました。
私の方に向かってきていたワゴン車が、さらに何かにぶつかったように急に回転し私の車の直前で停止。
後々に冷静になってから思い出すと映画のワンシーンの様でした。
その時はパニックで、車が止まった後も数十秒固まっていましたが、私の後ろに止まっていた車の人が降りてきて「大丈夫か?」と声を掛けられて我に返りました。
その後私も、車の外に出てみましたが、あの時こちらに滑るように向かってきていたワゴン車が何にぶつかって回転したのか見てみたものの、それらしいものが無く、降りてきてくれた車の人に聞いてみても「車が回転したのは見たけど何にぶつかったのかが・・」と私と全く同じようでした。
当のワゴン車の運転手は、怪我は無さそうでしたがショック状態だったようで、周りにいた車の人たちが警察に連絡したりしていました。
とりあえず怪我もなく無事だったので、疑問は残るものの結果的には良かったことにしましたが、それ以降、あんなに通っていた道でもさすがに怖くなりしばらく行くことはありませんでした。
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