窓の外に佇む人
投稿者:武庫 (6)
以前私が勤めていた会社での不思議で少し怖い出来事です。
当時の職場は1階で数カ所窓があるんですが、ふとした時その窓に目をやると窓の右寄りに黒髪で前髪が目が隠れているような長さのストレートヘアの男性が少し俯くように社内の方を見ているのが見えて、はじめはその近くにあるガス缶の業者さんかな?くらいに思っていたんですが、だいぶ時間が経ってまた窓をみると最初に見たままの状態でまだそこに立っていました。
さすがに気味が悪くなりそれから仕事が終わるまでその窓のことは気にしないようにしてその日の業務を終えました。
帰り支度をしながらどうしても窓が気になり思い切って見てみるとそこにはもう誰もいませんでした。「あれは現実?何だったんだろう。」という疑問は消えませんでしたが考えても答えは出ないと忘れることにしました。それからは何事もなくいつもの日常が続いていました。
ある日、会社で仲が良かった人が元気がなさそうに見えたので休憩中になにかあった?と聞いてみると彼女は少し黙った後「彼氏が死んじゃって。」と泣き出してしまい慌てて場所を移動しよくよく話を聞くと窓の人見たのって彼氏が亡くなった日じゃ・・とついその彼氏の容姿ってと私があの日見た人の容姿を言うと驚いた顔で「なんで知ってるの?」と聞かれて頭が真っ白になりました。そしてあの日の出来事を伝えるべきか悩みました。
私が言葉に詰まって黙っていると彼女の方から「ねぇなんで知ってるの?」とさらに聞かれ切羽詰まった私はあの日見たまま、あったままの出来事を話しました。
話しながらも本当にあの時見た人が確実に彼女の彼氏だったのか私にはわからないですし話すことで彼女がどうなってしまうのかとハラハラしていましたが、彼女は「最後に私に会いに来てくれたんだ。」と泣きながらですが嬉しそうに言ったの聞いてあの出来事は一体何だったんだろうという自分の気持にも踏ん切りがつき。彼女の笑顔も見られてホッとしました。
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