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心霊

N・Kさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

怖いと感じる場所
短編 2020/11/01 23:39 1,508view
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私は小さい頃から何か嫌なものを感じとることが多くありました。
小学五年生のときに遠足で行ったO市にある戦争の資料館の中ではなく外のモニュメントが不気味で触れたくないなと思ったり、実家に曰く付きの部屋があるのですが、そこに近寄りたくなかったりと様々です。

これはそんな私が体験したちょっとゾクッとした話です。
一人暮らしをはじめて間もない頃、久しぶりに実家に帰ることになりました。数ヶ月ぶりの母親との再開。母は駅まで車で迎えに来てくれました。
家に帰る道中、ふと目に留まったのはずっと昔からある雑居ビル。私は車内トークとして母に「ここのビル、何だか気持ち悪い感じするね」と言いました。

すると、母は「それ、あなたが小さいときにも同じことを言っていたよ」と笑っていいました。

「ここの前を通ると『ここなんか嫌だ』ってよく言ってたわよ。大きくなってからは言わなくなったけれど」と続けました。
「へえ、やっぱり昔からなんだ」とだけ言って、そこでその話は終わりました。その時なんとなく続けるべきではないなと思ったことを覚えています。

実家についてからは会えていなかった間にあった身の回りの話や、政治がなんだ、芸能人がどうだと話しながらゆっくりと時間を過ごしたのです。
帰省も終え、いつも通りに仕事でバタバタしているある日、母親からメッセージが届いたのです。それはずっとある雑居ビルの話でした。

『ほら、あなたがいつも嫌だって言ってた○○銀行が入ってるビルあるでしょ?』『あそこのビル、事故物件だったみたい』そのメッセージを見た瞬間背筋がゾワッとして思わず一度メッセージの画面を閉じてしまいました。もう一度ゆっくりと見ると、新たなメッセージが届いていて、そこには昔、そのビルで飛び降り自殺があったと書かれていました。

その時に思ったのです。「あの時、この話を続けていたらどうなっていたのだろうか」と。以前に私は自身の体験した怖い話をしていた最中に部屋の蛍光灯が突然割れたり、スマートフォンがバグったりすることがあり、それ以降は“何かを感じたらその話はやめよう”と思うようにしていました。

母と話したあの日もただ、“なんとなく嫌な予感がして”話すのをやめたのです。「私がもし、あの時この話を続けていたら…」その考えが頭を過り、身震いをしました。この話をしている今も少し肩が痛いですが、何もないことを祈ります。これが私の体験した怖い話です。

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コメント(1)
  • お母さんが、「それ、あなたが小さいときにも同じことを言っていたよ」と笑っていいました。の笑ってのが怖いし、『あそこのビル、事故物件だったみたい』って送ってくることも、新たなメッセージが届いていて、そこには昔、そのビルで飛び降り自殺があったっと送るほうも、見る貴方も私には、怖い方です。だってさ、履歴に残るんですから・・・。

    2023/04/20/11:41

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