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不思議体験

森さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

白い何かが見えた日
短編 2021/07/20 23:55 1,630view

過去に一度だけ不思議な体験をしたことがあります。

昔、モルモットを飼っていました。
当時私は小学生で、姉と母と住んでいました。
モルモットは近所がマンションに引っ越す際におねえさんから貰った子で、みんなでお世話をしてとても可愛がっていました。
名前はチビクロと名づけました。

7年くらい経つと寿命で死んでしまい、庭の土に埋めてお墓を作りました。
お墓にはその年と日付を記入し、「チビクロのお墓」と板を建てていました。

それから10年ほど経ちました。
ある休日、母と姉三人でリビングで漫画を読んだり各々くつろいでいました。
すると姉が突然「見て!!なにか白いものがある!」と目の前を指差すのです。

私と母が姉が指差す方向を見ると、そこにはたしかに、なにかがありました。

でもそれは、白いというより、透明っぽい、煙のようなものでした。
その煙のようなものはゆっくりと移動しており、ふわーっと進んでいました。
そのときテレビもつけてなかったし、お湯も沸かしてもいなかったし特別なにも煙が起こるようなことはなにもなかったのです。

私たちが不思議に思ってしばらく見ていると、あることに気づきました。
その煙は丸っこい動物のような形をしていたのです。
そして姉が「モルモットみたいじゃない…?」と言いました。たしかにその形にはっきり見えたのです。

一人が見たのなら単なる勘違いで終わるのですが、私と姉、そして母も同じもの同じ形を見たのです。
その煙はしばらくするとスーっと消えて、どこかにいなくなりました。

母が「今日って何日…?そういえば、チビクロの死んだ日っていつだったっけ?」と言いました。

私はゾッとしました。
そして、三人で慌てて庭にあるチビクロのお墓に向かいました。
そこには命日の日付が書いてあったからです。

確認するとまさにその日でした。
「そうだったね、チビクロの命日だったね…」と母が言いました。
それから私たちはお墓の前で手を合わせて、チビクロ、安らかに眠ってねと私は心の中で唱えました。

命日になって、チビクロが帰ってきてくれたのかな、と思い
それから毎年、命日にはチビクロの好きだったりんごを置いて話しかけるようになりました。

怖い話でなくてすみません。
でもこういうことって本当にあるんだなと思った衝撃の体験でした。

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関連タグ: #テレビ#墓#漫画
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