隣で寝る「影で作られたような顔をもつ人」
投稿者:森 (3)
私が小学生のときの話です。
私の家は母子家庭で、母と姉、私の三人暮らしでした。
寝室は一緒で、いつも三人川の字になって寝ていました。
真ん中は母でしたので、私は姉とは離れていました。
ある日、いつもどおり川の字で寝ていました。
ふと暑くて深夜に目が覚めてしまいました。隣にいる母を見ました。
そこにはいつもと変わらず母がいるのですが、なにかおかしのです。
誰もいないはずの私の逆側に、気配を感じるのです。
振り返ると、そこには誰かが横たわって寝ていました。
あれ?おねえちゃんがこっちに移動してきたのかな?と不思議に思い、
いつも寝ていた姉の場所を体を起こして覗いてみました。
すると、姉はいつもの母の隣の場所でちゃんと寝ているのです。
え?じゃぁここにいるのは誰?と思い、私はその人を近くで見てみました。
ですがよく見ても、その人は確かにいるのですが、真っ黒で顔も体もよく見えないのです。
部屋が暗くてわからないのかなと思い顔を覗き込むと、
目がやたら大きな二つの影に覆われており、まったく顔が確認できませんでした。
部屋はそこまで真っ暗ではなく常夜灯を付けていたので、母と姉の顔は確認できました。
私は怖くなって、その人から離れるために、姉の隣のはしっこへと移動してガクガク震えていました。
もしかしたら、よく遊びに来る姉の友達が泊まりにきたのかもしれないと思い、
朝確認しようと思い、そのときは寝てしまいました。
翌朝、「ねぇ、昨日おねえちゃんの友達が泊まりに来て、一緒に寝てたの?」
と聞くと、姉も母も誰も家に来ていないしいつもどおり三人で寝ていた。と言うのです。
確かに朝になったらその人はいませんでした。
私は確かに見たし、自分が寝ぼけていたとも思えないほど意識もしっかりしていたし、何度も確認してその人を見たのです。
今でもあれがなんだったかわかりませんが、確かにあの夜誰も知らない四人目がいたのです。
それが幽霊なのか人間なのかは分かりませんが
いまでも影で作られたようなあの顔は強烈に頭に染み付いています。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。