「実家の裏に広い畑がありまして。周りは住宅街なので田舎ってわけではないんですけど、そこは通るなと親から言われていたんです」
原口さんは小学生の頃、母親からこのような忠告をされたという。畑の真ん中には道が通っており、車が通れるほどの道幅で見晴らしもよく、カーブミラーをつける必要もない。
しばらくは言いつけを守りその道を使うことはなかったが、ある日の塾帰りにその道を近道として使うことにした。
等間隔で街灯が並んでいる心細い道だが、見慣れた道なので歩みを進めていく。道半ば、後ろから車が来ることに気づいたので小走りをし距離を取ろうとしたとき、左肩を掴まれぐいっと引っ張られたのだ。
そこまで強い力ではなかったのでよろけることはなかったが、暗闇を狙った変質者かと思いすぐに後ろを振り返る。
しかし、そこには誰も居なかったという。
小走りをして距離をとっていなかったら、車とぶつかっていたかもしれない。
家に帰ってからこのことを親に話すと
「だから通るなって言ったでしょ」
と言われてしまった。
母親は通ってはいけない理由を知っていたのだろうか。今は建物が立ってしまいこの道は無くなってしまったが、そんな道が関東某所S区に存在した。
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