一人暮らしのA子は新しい趣味を始めるために、自宅近くのホームセンターで観葉植物のウンベラータを購入した。
当初、A子はウンベラータをリビングの前方にあるベランダの窓辺付近に置くことを考えたが、リビングの左側にある窓の方が日当たりが良いので、そこに置くことにした。
A子はネット等で育て方を調べながらウンベラータの世話を始めた。
しかし、上向きだったウンベラータの葉は、日が経つにつれて徐々に垂れていった。
葉が黒く変色する等の病気の兆候は見られないため、そういうものだと思い、A子は世話を楽しんだ。
1か月ほど経ち、A子はいつものようにウンベラータに水やりをした後、全15枚のうち7枚が垂直に垂れた葉を眺めていると、違和感を覚えた。
ウンベラータから離れてじっくり見ると、あることに気が付いた。
垂直に垂れたウンベラータの葉だけ、同じ方向に向いている。
A子はその方向を視線で追った。
リビングの後方にある、普段A子が食事や自由時間の時に座る椅子だった。
そして、もう一つ気が付いた。
昨日はたしか、リビングの右側を向いていた気がする。
A子はリビングの右側に目を向けた。
その方向には、A子の寝室があった。
不気味ではあったが、たまたまだろうとA子は深く考えなかった。
嫌な考えを振り払うように、A子は干した洗濯物を取りにリビングからベランダへ出た。
洗濯物の入ったかごを抱えてリビングに片足を入れた時、A子はふとウンベラータに目を向けた。
ウンベラータの葉は全て垂直に垂れてベランダの入り口を向いていた。



























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