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不思議体験

ゴンゾウさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

収集日
短編 2026/06/11 10:56 63view

地図に載っていない班が、その住宅街には存在する。

話してくれたのはTさん(40代・主婦)だ。数年前、夫の転勤で引っ越した先での出来事である。

その町内では、ゴミの収集日が班ごとに異なっていた。Tさんの班は月・木、別の班は火・金。回覧板を確認して初めて、Tさんは「第七班」という名前に気づいた。しかし手元の配布地図に、第七班の区画はない。他の班はすべて番号と住所が対応しているのに、第七班だけが空白だった。

班長のKさんに聞いた。

「第七班さんはね、収集日が違うんです」

それだけで話が終わった。

数日後、別の班員に聞いた。

「ああ、あそこは独立してるから」

追加で聞こうとすると、相手は話題を変えた。

その後も何人かに聞いた。「古い住民だから」「最近できた班じゃないかな」「清掃当番には入ってないはず」。返ってくる答えは全員違った。なぜか全員、場所だけは言わなかった。

ある夜、Tさんは気がついた。木曜の深夜、誰も出していないはずの時間帯に、角のゴミ捨て場にすでに袋が積まれている。月・木・火・金——自分の班と他の班の収集日では、説明がつかない。

袋の数は、毎回同じだった。

引っ越し前の最後の挨拶でKさんに礼を述べたとき、ふと聞いた。

「第七班って、結局どのあたりなんですか」

Kさんは少し間を置いてから答えた。

「あそこは、ずっと前からいる人たちだから」

Tさんが転居後、その住宅街を地図で確認したことがある。現在も第七班の表記はない。ゴミ捨て場は今も同じ場所にある。

私はそれ以上、聞かなかった。

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